活動休止1年前に思うこと
形に残しておきたくて、つらつらと思ったことを。
回想
2019年1月27日のことを、私は今思い出している。
その日は午後からFGOステのライビュ。
最高の舞台を見て「やっぱチケット取って正解だったな!」とホクホクした気持ちで電車に揺られていた。
『来年末で 活動休止』
突然親友から届いたラインが、私を凍らせた。
指先が冷たくなって、すうっと血の気が引いていくのが分かった。
体がこわばって、どうしたらいいか分からなくて、嵐が大好きな母や弟はもうこのニュースを知っているのだろうかと思った。
そんな混乱状態の中で、やっと私が絞り出したメッセージは
『活動休止か よかったライブは行ける』だった。
以下、当時のラインを見返すとこんなことを私は言っている。
『解散は絶対しないよ』
『みんなが踊れなくなるまで解散はしない』
『だからいま むしろショックより安心感がある 不思議な気持ち』
『解散ではないんだ じゃあよかった って』
『最悪のルートではないから』
『信じられる』
ちなみにこの盲目的な信者かのようなメッセージたちに対して、友人からは『シャブでもキメたん?????????』『もう既にお前は墓に入っているのか?????』と返信がきていてめちゃくちゃ面白い。
深夜2時過ぎに過去のラインを見返してこんなに笑うことは無いと思う。
帰宅すると、母と弟が待っていた。
ここからのことは、皆が知っていることだと思う。
8時から記者会見。次々に公開される記者会見のレポート記事。ニュース。
ありとあらゆる媒体が、人気アイドルグループ・嵐の活動休止を取り上げた。
私は彼らの姿を見て、彼らの言葉を聞いて、ただただ泣いた。
そして数時間前に『信じられる』と思っていた自分に、
ほらね、大丈夫だったよ。
と得意げに微笑みたい気持ちになっていた。
and more当選
2019年3月1日のことを、私は今思い出している。
おめでとうございます!第4希望で当選です。
キラキラした飾りのラインに挟まれた、待ち望んだ当選メール。
第4希望は「いつでもどこでも」だった。札幌ドーム、の文字が燦然と輝いていた。
札幌!!!!??????いつでもどこでもで飛ばされる可能性の最も高いと言われるあの、札幌!!!????(個人的なイメージ)
どうする?行くしかないでしょ。
流石、母。迷いなどない。一瞬戸惑った自分を殴りたい。
ここからの航空券購入、ホテルの予約は命懸けなのだから。
必死で探してようやく取れた。心の準備以外は万端だ。
せっかくだから嵐さんに貢献したよ!と嬉々として報告してきた母の購入した航空券はANAだった。
いざ、札幌へ
2019年5月17日のことを、私は今思い出している。
人生3回目の嵐のコンサート。
新千歳空港に着くと、どこを見ても嵐のファンがいる。
浮かれ気味の私たちは空港を探検し、朝の10時から海鮮丼を食べた。
12時過ぎには札幌ドームの最寄り駅である福住駅に着いた。
最早一大テーマパークに成り代わっているヨーカドーさんの愛を感じながら、いよいよ札幌ドームへ。
18時開演まで、まだ大分時間があった。
初めて翔ちゃんのうちわを買った。写真を撮ったり、周りのファンを眺めたり。
なんで私たち、札幌にいるんだろう。
どこか信じられない気持ちで、私と母は開演を待っていた。
ライブが始まった瞬間から、私は涙が止まらなかった。
ふと横を見ると、母も目元をハンカチで押さえながら泣いていた。
1曲目の感謝カンゲキ雨嵐に2人して撃ち落されたのだ。
ただひたすらに楽しくて、嬉しくて堪らなかった。
思い出しながら、今バカみたいに涙が出てくる。
きっと、当時はこの500倍の量の涙を流した。
幸運にもアリーナ席だった私たちは、とても近くで皆の姿を見ることが出来た。
真横をトロッコに乗った相葉さんが、私の隣のお姉さんの指差しうちわに答えながら通過した時には心臓がどうにかなりそうだった。
MCでは声を上げて笑った。飾らない5人の会話が好きだ。
とにかく、全てが美しくて信じられないくらい綺麗だった。
演出も、衣装も、歌も、ダンスも。
初めて聞く5×20は、その美しさを象徴する曲だった。
こんな幸せな空間を作ってくれた5人と、関わってくれた全ての人々にお礼がしたい。
ありがとうございます。この日のことを、私はまた何度でも思い出す。
楽しくて幸せな思い出ばかりの札幌の地をまた踏みたいと心から願っている。
高級ブランドのチョコレート箱
2019年6月25日のことを、私は今思い出している。
この日、手元に20周年のベストアルバムが届いた。
発売日は26日だが、いわゆるフラゲ日というやつだ。
CDや円盤を買った時には、必ず母と共に開けてから見ることになっている。
一度しか聞いていない5×20のPVは私の期待をある意味裏切るものだった。
深く暗い海、冷たさを感じるような風。
白いシャツで砂浜に立つ5人の姿に目を奪われた。
どうしようもなく、私は無力だと思った。
知っていたのに、大きな愛を与えてくれるくせに、応援してくれる皆のことをとても大切にしてくれるくせに、彼らは5人ぼっちだった。
ずるいな。そんな顔しないでよ。
通学の電車の中。
5×20を聞く度に、脳裏に砂浜に立つ彼らの姿が浮かぶ。
文明開化
2019年11月3日のことを、私は今思い出している。
私はミュージカル『憂国のモリアーティ』円盤のリリイベのため、東京にいた。
11時半からの会見のため、東京駅のドトールで待機。
この時点で状況を理解できていない。
なぜなら、嵐の“公式YouTubeチャンネル”で生配信だったからだ。
会見が始まると、解禁、解禁、解禁の嵐。
JET STORM、北京ライブ、新国立競技場でのライブ、5×20オーラスライビュ決定、SNS、サブスクリプション、デジタルシングル、午後9時からPVのプレミア公開…
ドトールで泣きながら配信を最後まで見守った。
脳が理解に追い付かない、という経験を嵐のファンになってから幾度となく経験しているがここまでなのは初めてで。
正に、RE BORNだ。革命だ。文明開化、と私と母は名付けた。
巻き起こした嵐は世界中の応援してくれる人々のもとへ。
初のデジタルシングルとなったTurning Upが届いた。
「Hey! Everybody!お待たせ」で始まり、「ずっと近くで smile again and again」で締める翔ちゃんのラップ。
翔ちゃんの口から紡がれるこの歌詞を聞くと、それまではただひたすらに楽しいのになぜか泣いてしまう。
その日は本当に、ふわふわと夢見心地な気分だった。
距離はずっとずっと近くなったのに、あっという間に離れていく。
私はその狭間で、ゆらゆら揺れていた。
結婚
2019年11月12日のことを、私は今思い出している。
ニノちゃんが結婚。それは、最初本人の言葉からではなかった。
大きな騒ぎとなり、夜10時を過ぎた頃。
FCに直筆のメッセージが届いた。間違いなく、ニノちゃんは結婚した。
純粋に嬉しかった。
私はアイドルの結婚に関しては、かなり独特のスタンスでいる自負がある。
結婚して素晴らしいDNAを後世へ受け継いでほしい、とか。
とにかく相手が誰だろうと、タイミングが悪かろうと、私はそこに言及する気はさらさら無かった。
この結婚が、嵐の関係性を壊すとかせっかくの20周年を台無しにするとか。
そう感じる人もいる。感じない人もいる。
私は後者にいた。
誰も、他人に自分の感情や考えを「あなたもそう思うでしょう?」「そう思わないのはおかしい」と強制したり、非難したりすることは出来ない。
アイドルとファンの関係性は十人十色だと思う。
私とニノちゃんの間は、祝福で完結していた。
それだけのことだった。
心から、おめでとう。
あなたの幸せを、私はここから願っている。
50公演
2019年12月25日のことを、私は今思い出している。
and moreで追加公演が発表された日から、1年と2日経った。
映画館のライブビューイングには外れてしまったため、私は自宅からオーラスに思いをはせていた。
長かった公演が、やっと終わる。
どれだけの苦労があっただろう。
体調が万全でない日もあっただろう。
智くんは「発表後の4月からのツアーは正直不安でした」と話してくれたという。
活動休止は命懸けの決断だった、と。
私は2019年1月27日のことを思い出す。
「大野智が嵐を活動休止に導いた」のか。それは断じて違う、と私は言いたい。
民主主義で、様々な物事に折り合いをつけてここまでやってきた5人が、選んだ。
私はそう思っていた。
智くんが正直に話してくれて良かった。
心の底から安堵した。
長い、長い道のりだった。
本当に、お疲れさまでした。
素晴らしいステージをありがとう。
2019年12月31日
気付けば、2019年が終わろうとしている。
嵐ファンにとってめまぐるしい1年だったことは間違いない。
来年はどうなるのか。
2020年12月31日に、私は何を思うのだろう。
活動休止を事実として捉えることは簡単なのに、現実として捉えることが出来ないままでいる。
「盲目だ」と言われることがある。
ごもっともな指摘だ。
それに、ここまでの文章を読めば、分かってもらえるだろう。
私は基本的にモンペ*2気質だし、推しが存在するだけで優勝!と思うおめでたいおたくだし、そんな自分が実はとても気に入っている。
嵐の5人と私の人生は交わらない。全くの別物だ。
一方で、彼らの存在は私の人生に大きな影響を与えている。
もう、ただの「好きなアイドル」では無くなってしまった。
嵐のおかげで、出会えた良き友人たちがいる。
嵐のおかげで、頑張れたことがある。
2020年12月31日、私は日本にはいない。
母には「活動休止なのに、日本にいなくてもいいの?」と心配された。
留学は、私の選択だ。解散では無く、活動休止が嵐の選択だったように。
嵐の5人と私の人生は交わらない。
当たり前のことを、繰り返し私はかみしめる。
悲しくないのに、嬉しくもない。
私は大好きな5人のことをどこにいても思い出すだろう。
2019年12月31日は、明日には私の思い出の1つになる。
それが私は待ちきれない。
2020年がもうすぐ始まる。
活動休止後に見返したら、恥ずかしいかもなあ。
思っていたことを書き記すことが出来て、後悔はありません。
長々と失礼しました。ここまで読んでくれたあなたに、まずは大きな感謝の言葉を。
ありがとうございました!
*1:イトーヨーカドー福住店のこと。メンバーがCMに起用されている商品をポスターやパネル、手作りのポップとともに大量に陳列展示して販売している。気合の入り方に毎度感服する。
*2:モンスターペアレンツの略称。オタクに対して使う時には、推しに対して過保護、盲目な性質を表す。